引き算の美学で整える、心地よい暮らし 〜余白がもたらす、住まいの豊かさ〜

こんにちは、廣谷建設の広報担当です。

家づくりというと、「あれも付けたい」「これも便利そう」と、どうしても「足し算」の発想になりがちです。でも、実際に住み始めてみると、「ものが多くて落ち着かない」「空間にゆとりがない」と感じることも。
そんなときこそ見直したいのが、引き算の家づくり。

必要以上に機能や収納を詰め込まず、本当に大切なものだけを残して空間に余白をつくる。実はそのほうが、暮らしやすくて、心まで整う住まいになることもあるんです。

今回は、「引き算の美学」をキーワードに、すっきりと心地よい住まいづくりの考え方を、設計の工夫やインテリアのポイントとあわせてご紹介します。

目次

「引き算」の家づくりって何?──モノを足さずに、整える発想

「収納は多ければ多いほどいい」「設備は最新のものをすべて入れたい」。そんな「足し算」の家づくりももちろん便利ですが、限られた広さの中で暮らすなら、「引き算」の視点もとても大切です。

「引き算」とは、単に何も置かない・持たないということではありません。生活の中で本当に使うもの、好きなものだけを選び、不要なモノや機能をあえて減らすことで、空間と心にゆとりを生み出す設計手法です。

たとえば、収納を増やすよりも「しまう物を減らす」ことを優先したり、部屋ごとの機能を詰め込むのではなく「広さと抜け感」で快適さをつくったり。少しの「余白」を意識するだけで、住まいの印象は大きく変わります。

空間を整えることは、暮らしそのものを整えること。まずは、「足りない」ではなく「ちょうどいい」を見つける視点で、家づくりを見直してみることから始めてみましょう。

「余白」のある間取りが、心を整える

住まいは、ただ「モノを収める箱」ではなく、暮らす人の心にゆとりを与えてくれる場所であるべきだと、私たちは考えています。最近では「ミニマル」「シンプル」「余白」といった言葉が注目されていますが、これは単なる流行ではなく、忙しく複雑になりすぎた現代の暮らしの中で、人が本能的に求めている感覚なのかもしれません。

たとえば、リビングの一角にあえて何も置かないスペースをつくることで、自然光が部屋の奥まで差し込み、広がりのある空間が生まれます。また、廊下や玄関などにも「抜け感」を意識した設計を取り入れると、風通しや視線の通りが良くなり、住まい全体が軽やかになります。こうした工夫は、実際の床面積を変えずとも、感じる広さや居心地を大きく変えるのです。

余白とは、言い換えれば「使い道の決まっていないスペース」。その存在が、暮らしに「伸びしろ」をもたらし、将来のライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる余裕をつくってくれます。設計段階から「あえて空ける」という選択をすることで、そこに暮らす人が、自分らしい時間や過ごし方を見つけるための「余白」が生まれていくのです。

POINT!
引き算の家づくりは「スペースを空けること」が目的ではありません。暮らす人にとっての「心地よさ」を最大化するための、空間設計の工夫なのです。

「モノを減らす」ではなく「選び取る」収納設計

「引き算の美学」というと、モノをどんどん減らして断捨離するイメージを持たれるかもしれません。でも、私たちが考える「引き算」は、決して我慢ではありません。大切なのは、暮らしの中に本当に必要なモノを見極め、心から好きと思えるモノと丁寧に付き合っていくこと。そのためには、モノを選び取るという視点がとても大切です。

たとえば収納。つい「たくさん収納できる場所があればいい」と考えがちですが、実際には「何をどこに、どれだけ収めるか」をイメージできていないと、かえって散らかってしまう原因になります。収納は増やすのではなく、適した場所に、適した容量でつくることが理想です。

キッチンならパントリー、玄関ならシューズクローク、寝室ならウォークインクローゼットなど、用途別に配置された収納があれば、必要なものがすぐ手に取れる動線の良い暮らしが叶います。とりあえずしまって見えなくするのではなく、使うための収納を前提に設計すれば、自然と暮らしも整ってくるはずです。

POINT!
収納は「多ければ良い」ではなく、「必要な分だけ、適した場所に」。選び取ったモノがすっきり収まると、気持ちにもゆとりが生まれます。

視線・光・風の「通り道」を設計する

「引き算」の家づくりにおいて、モノや装飾だけでなく、「視線・光・風の流れを意識して整えることも大切な要素です。間取りを考える際、壁や建具を多く設けてしまうと、空間の広がりが遮られ、圧迫感のある室内になりがちです。逆に、必要な仕切りだけを最小限にとどめることで、空間がつながり、目にも心にもやさしい抜け感のある住まいが実現します。

たとえば、リビングとダイニングの間にあえて扉を設けないことで、家族の気配を感じながらも、過ごし方をそれぞれに保てる。窓の配置を工夫して視線の抜けを意識することで、家の中が広く、明るく感じられる。そんな設計は、日々のストレスを減らし、居心地のよい空間を育ててくれます。

また、風の通り道をしっかりと設計することで、季節の変化にも自然に対応できます。山間の地形が特徴となる山形では、風が抜ける間取りは冷房効率にも直結。通風を意識した窓配置や、室内ドアの開閉の工夫によって、涼しさと快適さを両立させることができます。

POINT!
「空間を区切らない」ことで、視線・光・風が通る道が生まれます。これこそが、心地よさを「足さずに整える」秘訣なのです。

余白がもたらす「心のゆとり」

「引き算」の家づくりでもう一つ大切なのが、「余白」を意識的に残すことです。一般的に、「せっかく家を建てるなら、スペースを無駄なく使いたい」と考えがちですが、実はこの余白こそが、暮らしにゆとりと自由をもたらしてくれる要素です。

たとえば、リビングの一角に何も置かないスペースをつくると、家族が自由に使える伸びしろが生まれます。小さな子どもが遊んだり、来客時に椅子を移動したり、あるいは将来的に家具を追加することもできる──。このように、今使い切らないという設計の柔軟さが、長く快適に暮らせる住まいにつながっていきます。

また、収納についても「モノを詰め込まない収納」を意識することで、探し物の時間が減り、日々のストレスも軽減されます。見える部分にも、隠す収納にも、少しのゆとりを設けることで、空間全体が呼吸しやすくなる。その結果、視覚的にも精神的にも、スッキリとした暮らしが実現します。

まとめ──「引き算」で豊かになる暮らし

家づくりというと、つい「あれもこれも」と機能や設備を「足す」方向に意識が向きがちですが、本当に心地よく暮らせる家とは、「何を取り除くか」「何を選ばないか」まで丁寧に考えた住まいだと、私たちは考えています。

「引き算」の家づくりは、決して我慢や制限ではありません。必要なモノや動線だけを残すことで、暮らしに余白が生まれ、家族の時間や心にゆとりができていく。そんな豊かさを感じられる住まいです。

廣谷建設では、機能性やデザイン性はもちろん、今だけでなく、これから先の暮らしに本当に必要なことは何を、お客さまと一緒にじっくり考えながらご提案しています。家づくりのプロセスの中で、必要のないものを削ぎ落とし、本当に大切なものを見つけていく。それが、私たちの考える「引き算の美学」です。

整っていて、過ごしやすくて、好きなものにだけ囲まれている。そんな、無理のない豊かさを、あなたの暮らしにも取り入れてみませんか?

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