「土間のある暮らし」のススメ──外と内がつながる、ちょうどいい“余白”のある家づくり

こんにちは!廣谷建設の広報担当です。
最近、「土間のある家っていいなあ」と打ち合わせの際にお話いただく方が増えてきました。昔ながらの日本の家に見られた土間空間。一度は途絶えかけたその文化が、現代の暮らしの中で再び注目されているのをご存知ですか?
「靴を履いたまま作業ができる」「外と中がゆるやかにつながる」「子どもやペットも伸び伸び過ごせる」など、土間には暮らしの自由度を高めるたくさんの魅力があります。便利さやおしゃれさはもちろん、住まい手の個性を映し出す空間にもなるのが土間の良さ。
今回はそんな「土間のある暮らし」の魅力を、実際の活用例や設計のコツを交えながらご紹介していきます。
そもそも土間とは?現代住宅での意味と役割
「土間」とは、もともと床が地面と同じ高さで、土やコンクリートがむき出しのままになっているスペースのこと。古くはかまどを置いて炊事をしたり、農作業の道具を置いたりと、生活と作業の場が混ざり合う空間でした。
現代の住宅では、土間=「内でもあり外でもある中間の場所」として見直されています。家の中にありながら靴のまま使えるため、ガーデニングやアウトドア用品の収納、ペットとのふれあいの場としても活躍。外の汚れをそのまま持ち込める気軽さがありつつ、室内空間とつながっているため、生活の一部として自然に使えるのが大きな魅力です。
さらに土間は、空間に「余白」をもたらします。きっちり用途を決めるのではなく、時期や気分、家族の成長に応じて柔軟に使える土間は、「変化を楽しむ暮らし」にもぴったりな空間なのです。
土間のある暮らし、どんなメリットがある?
土間を取り入れる最大のメリットは、「使い方の自由度が高い」ということ。たとえば、雨の日の自転車置き場として活用したり、アウトドアグッズやベビーカーをそのまま収納したりと、暮らしに合わせて柔軟に使えます。
また、土間は外と中を緩やかにつなぐ「中間領域」であるため、来客との距離感にも配慮できます。玄関からそのまま腰をかけられる土間があると、ちょっとした会話や打ち合わせなども室内に上がらずに済ませられ、気軽なコミュニケーションが生まれます。
さらに、土間は通気性が良く、熱や湿気がこもりにくいという特徴も。特に山形のように季節の寒暖差が大きい地域では、空気がこもらず快適に保てる空間としても有効です。
土間×間取りのアイデア実例集(玄関・リビング・ガレージなど)
ひとくちに「土間」といっても、設ける場所や組み合わせる空間によって、暮らしの中で果たす役割はさまざまです。ここでは、廣谷建設でも採用例の多い土間の活用パターンをいくつかご紹介します。
●玄関土間──広くて機能的な「顔」となる空間
玄関と土間を一体化させることで、開放感が生まれ、使い勝手も抜群に。家族が多いご家庭では、靴や傘、ベビーカー、通学カバンなどを一括管理できる「ファミリー玄関」としての活用も人気です。また、玄関横にクロークや収納スペースを設ければ、生活感を見せずにスッキリとした印象に。
●リビング土間──アウトドアリビングの延長として
リビングの一角にタイルやモルタル仕上げの土間スペースを設ければ、外と中をつなぐ「セカンドリビング」としての使い方が可能に。ペットの遊び場や、お子さまの工作・水遊びスペースにも活躍します。土間とウッドデッキを段差なくつなげれば、より広がりのある居住空間に。
●ガレージ・勝手口土間──作業スペースや動線の一部として
ビルトインガレージと土間をつなげると、車いじりやタイヤ交換、アウトドア道具のメンテナンスにも便利。勝手口に設ける場合は、ゴミ出しや菜園作業など「ちょっと外へ」の動線がスムーズになります。靴を履き替えずに屋内外を行き来できるのも大きな利点です。
「土間でできること」は、家族構成・ライフスタイルで変わる
土間の使い方に正解はありません。暮らす人の数やライフスタイル、そしてその時々の生活の変化に応じて、土間はどんな姿にもなじんでくれる柔軟な空間です。
たとえば、小さなお子さまのいるご家庭では、外遊びのおもちゃやベビーカーの仮置き場として重宝されます。汚れを気にせず使える土間は、「帰ってすぐに片づけられる」「汚れても大丈夫」という安心感があり、家事育児の負担を減らしてくれます。
また、趣味を楽しむ世帯では、土間が「自分だけのスペース」に早変わり。自転車整備、ガーデニング、DIYなど、室内では難しい作業も土間なら気軽に取り組めます。外と近いからこそ、作業後の片づけもスムーズ。水栓や収納を組み合わせれば、さらに利便性はアップします。
年齢を重ねたご夫婦だけの暮らしでは、趣味の道具や季節のアイテムを保管したり、植木鉢の手入れをする場所として活用したり。「ちょっと座ってひと息つく」心地よい余白としても、土間の存在は優しい安心感を与えてくれるでしょう。
まとめ。暮らしにフィットする土間のつくり方
玄関からつながる土間スペースは、単なる通路や収納場所ではなく、暮らしを豊かにする「自由な余白」です。昔ながらの知恵と、今の暮らし方を掛け合わせることで、土間は実用性と居心地を兼ね備えた空間として、私たちの暮らしに寄り添ってくれます。
ただし、「土間があるとおしゃれ」「流行っているから」といった理由だけで取り入れてしまうと、うまく使いこなせなかったり、思ったより使いにくく感じたりすることも。だからこそ、家族の暮らし方や家全体の動線、収納とのバランスを考えながら、「自分たちにとって必要な土間スペースとは?」をしっかり見つめることが大切です。
廣谷建設では、お客様一人ひとりのライフスタイルに合わせて、使いやすさと居心地を兼ね備えた土間空間をご提案しています。土間づくりを通じて、「外と内が心地よくつながる家」「毎日の暮らしに余白と楽しさが生まれる家」、そんな理想の住まいを一緒に形にしていきましょう。