花粉症のあなたにおすすめしたい、家づくりの工夫

こんにちは!廣谷建設の広報担当です。
春先になると、「くしゃみが止まらない」「鼻がムズムズして集中できない」など、花粉症に悩まされる方も多いのではないでしょうか。特にスギやヒノキの花粉が多く飛散する3月〜5月にかけては、外出時はもちろん、自宅の中でも不快な症状に悩まされてしまうという方も少なくありません。ですが、実は家づくりの工夫によって、花粉の影響を大幅に軽減することができるのです。
今回は、花粉症の方が快適に暮らせる住まいづくりのアイデアや設計の工夫について、廣谷建設の視点から詳しくご紹介していきます。「今まで気にしていなかったけど、なるほど!」と思っていただけるようなポイントを盛り込みましたので、ぜひ参考にしてください。
1. 玄関まわりで花粉をシャットアウト
花粉対策の第一歩は、「花粉を家の中に入れないこと」です。そのためには、家の入り口となる玄関まわりの工夫が非常に重要です。
特におすすめなのが、玄関クロークやシューズクロークの設置です。玄関のすぐ隣にコートやカバンを収納できるスペースがあると、外出時に衣類や荷物についた花粉を居住空間に持ち込まずに済みます。ここでのポイントは、収納力だけでなく「動線」です。玄関からリビングに行く前に、必ずこのクロークスペースを通るような設計にしておくことで、無意識に花粉対策ができる動線が自然と完成します。
また、玄関近くに手洗い場を設けるというのも効果的です。外から帰ったらすぐに手洗い・うがいができるようになっていれば、花粉やウイルスをそのまま室内に持ち込まずに済みます。小さなお子様がいるご家庭では、自然と「帰ったらまず手洗い」が習慣になるという声も多く聞かれます。こうした衛生的な動線は、コロナ禍を経た今、花粉症対策に限らず注目されるポイントです。
さらに、玄関床材や壁材の選定も重要です。例えば、土間部分にタイルや防汚加工された床材を使用することで、花粉や砂ぼこりをサッと掃除しやすくなります。壁も凹凸が少なく、拭き取りやすい素材にしておくことで、清潔な玄関環境が維持しやすくなります。日々の掃除がしやすい設計は、忙しい毎日でも花粉をためこまない工夫のひとつと言えるでしょう。
2. 空気を整える換気とフィルターの工夫
次に大切なのが、室内の空気環境を整えるための「換気」と「空気清浄」です。花粉は窓から入るだけでなく、目に見えないレベルで換気口や通風口からも侵入してきます。そこで重要になってくるのが、高性能な換気システムの導入です。
たとえば、第1種換気(機械吸気・機械排気)は、外からの空気をしっかりフィルターでろ過してから室内に送り込む仕組みになっています。このフィルターに、HEPAフィルターやPM2.5対応フィルターなど、花粉や微細な粒子までキャッチできるタイプを採用することで、外気の侵入を大幅に抑えることが可能です。これは市販の空気清浄機以上の効果を持つこともあり、常時運転しても省エネ設計になっているものも多いため、電気代も気になりにくいというメリットもあります。
また、24時間換気と併用できる空気清浄機能付き設備を導入することで、室内にたまった花粉やホコリを常にきれいに循環させることができます。特に、リビングや寝室など長く過ごす空間には、空気清浄性能の高い設備を導入しておくと安心です。これらの設備は、建築段階で設置しておくことで、後から追加設置するよりもコストを抑えることができ、デザイン的にもすっきり仕上げることができます。
さらに、通風計画と「空気の流れ」の設計も見逃せません。家の中に自然な風の通り道を設けることで、空気のよどみを防ぎ、花粉が特定の場所に溜まるのを防止します。例えば、対角線上に窓を配置したり、給気口と排気口の位置を意識することで、風の流れをコントロールしやすくなります。これは花粉対策だけでなく、室内全体の空気質改善や湿気対策にも効果的です。
3. 掃除しやすい間取り・素材選び
いくら換気やシャットアウト対策をしても、わずかに室内に入ってしまう花粉はあります。だからこそ、「掃除のしやすさ」も花粉対策における大切なキーワードになります。
まず、床材には掃除のしやすい素材を選ぶことが大切です。カーペットは温かみがあり肌触りも良いのですが、花粉やホコリが絡みやすく、掃除機で取り切れないこともあります。おすすめは、フローリングやタイルなどの硬質素材。これらは花粉が付着しても表面に留まりやすいため、掃除機やモップで簡単に取り除くことができます。
また、収納のデザインや位置にも工夫を。例えば壁面収納や造作家具を使うことで、家具と壁の間に隙間を作らず、ホコリの溜まりにくい空間が実現できます。天井までのハイタイプ収納であれば、上にホコリが溜まる心配もありません。こうした収納計画は、見た目もスッキリするだけでなく、掃除の手間を最小限に抑えるというメリットがあります。
加えて、ロボット掃除機が使いやすい間取りにすることも近年人気の工夫です。家具の脚の高さや配置、段差を極力減らすなど、設計段階でロボット掃除機の動線を意識しておくことで、日常的な清掃の自動化が可能になります。特に花粉の飛散が多い時期は毎日掃除機をかけるのも大変ですが、ロボット掃除機があるだけで気軽に清潔な環境を維持できます。
4. 部屋ごとの対策で快適な空間に
花粉症の方にとって、過ごす時間が長い部屋ほど、花粉対策の工夫が重要になります。特に就寝時は無防備な状態で長時間空気を吸い続けるため、寝室の空気環境は最も繊細に整えたい場所です。
例えば、寝室には空気清浄機の常設がおすすめ。できれば、花粉やPM2.5に対応した高性能タイプを選び、静音モードでも十分な除去性能を持つものを設置することで、快適な眠りを妨げずに空気をきれいに保つことができます。換気設備と併用することで、花粉が入りにくく、こもらない理想的な空気循環が実現します。
また、布団やカーテンなども花粉の付着源になりやすいため、洗濯がしやすい素材や花粉が付きにくい加工が施された製品を選ぶのもポイント。定期的な洗濯に加え、布団乾燥機や室内干し機能のあるランドリールームなどもあると、花粉の時期でも快適に寝具を管理できます。
さらに、洗濯物を外に干せない季節には、室内干しスペースの確保が重要です。花粉の季節に無理に外干しをすると、せっかく洗った衣類に花粉が再び付着してしまいます。ランドリールームや脱衣所に天井付けの物干しバーや換気・除湿機能を備えれば、室内干しでもしっかり乾き、衣類も衛生的に保てます。家事動線もスムーズになり、花粉対策と生活の質の向上を両立できます。
ペットを飼っているご家庭では、ペットの毛にも花粉が付着しやすいという点にも注意が必要です。犬や猫が屋外から帰ってくるときに、足元や被毛に花粉がついたままだと、室内で再飛散する可能性があります。そのため、玄関近くにペットの足洗い場を設けたり、ペット用のスペースを限定することで、花粉の拡散を抑えることができます。
また、床材選びもペット対応と花粉対応を両立できる素材を選ぶと効果的です。滑りにくく、掃除しやすく、毛やホコリが溜まりにくいタイプの床材を選べば、ペットも人も快適に暮らせる空間になります。
5. 植栽・外構の工夫も忘れずに
花粉対策というと室内に目が向きがちですが、敷地全体で花粉の発生・侵入を抑える工夫も実はとても効果的です。
まず意識したいのが植栽の選定です。常緑広葉樹や果樹など、花粉の少ない植物を選ぶのがいいでしょう。例えば、ツバキやサザンカ、ユズやブルーベリーなどは比較的花粉量が少なく、庭づくりにも取り入れやすい樹種です。見た目も楽しめるうえ、健康面にも配慮できる植栽計画は、来客時の印象も好印象に繋がります。
さらに、玄関アプローチや駐車場などの外構デザインも花粉対策のポイント。タイル貼りやコンクリート舗装にすることで、花粉が土や芝に溜まって舞い上がるリスクを減らし、掃き掃除や水での洗い流しも簡単になります。特に、花粉が多く舞う時期は風が強いことも多く、砂ぼこりや花粉が舞い上がりやすいため、こうした掃除しやすい素材選びが有効です。
また、植栽の配置によって「風の流れ」をコントロールすることも可能です。たとえば、玄関や大きな窓に向かって直接風が吹き込まないように、植栽やフェンスで緩衝帯を設けると、花粉の侵入量を抑えることができます。視線や日差しをコントロールしながら、自然の風も和らげてくれる、デザイン性と実用性を兼ね備えた外構計画が理想です。
最後にもう一つ。定期的な外構メンテナンスのしやすさも、花粉の蓄積を防ぐうえでは見逃せません。植栽の剪定がしやすく、水洗いできる箇所が多い設計にすることで、長期的に見ても快適な住環境を維持できます。廣谷建設では、外構も住まいの一部と考え、お客様の暮らし方に合わせた総合的なご提案を行っています。
花粉症の方にとって、おうちは「体調管理の拠点」とも言える空間です。今回ご紹介したように、玄関の工夫から換気、素材選び、間取り、外構まで、少しの工夫で毎年の悩みが軽減される可能性がありますよ。
廣谷建設では、ただ見た目が美しいだけでなく、「住む人の健康」や「毎日の快適さ」に配慮した家づくりを行っています。「花粉の季節でも、心地よく暮らせる住まいを実現したい」――そんな思いをお持ちの方は、ぜひ私たちにご相談ください。
次回のコラムも、暮らしに役立つ情報をお届けします。どうぞお楽しみに!